研究課題
消化管は自動能を持つ臓器であり、間葉系幹細胞由来の「カハールの介在細胞」(Interstitial Cells of Cajal; ICC)がペースメーカー細胞として機能することで蠕動運動が維持されている。近年、ICCの分化や機能を制御する遺伝子の先天的異常や、様々な炎症性刺激によってICCの機能が低下し、消化管運動機能が障害されることが報告されている。特に遺伝子異常による疾患は致死的であり、再生医療を視野に入れたICCの機能再建が期待されている。特異的に欠損可能なマウスを作製し、②この ICC欠損マウスにGFP-間葉系幹細胞を移植し、ICCの再生過程と、ペースメーカー機能や消化管輸送能との連関を解析することで、消化器疾患における新たな治療標的としてのICC再生医療の基盤を構築する、ことを目的とした。ANO-1およびc-kit遺伝子における発現調節領域約15-20kbを、両端にloxP配列を配置したkanamycin耐性遺伝子(kan)等のマーカー遺伝子を介してヒト由来のDTレセプター(hDTR)遺伝子に接続、およびCreリコンビナーゼ遺伝子に接続した2つのコンストラクトを作製し、各々トランスジェニック(Tg)マウスの作製を試みた。ANO1-Creマウスならびに、c-kit-Creマウスの作出に成功した。現在、それぞれ3種の異なるトランスジェニックマウスについて標的遺伝子の発現状態について解析中である。また、ANO1-loxp/hDTRならびにc-kit-loxp/hDTRマウスの作製中である。今後、これらを交配してc-kit/ANO-1 DPD-TRECKマウスの作出を試みる。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 4件、 査読あり 5件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 3件、 招待講演 2件) 備考 (1件)
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