研究課題/領域番号 |
16K15063
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研究機関 | 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛 |
研究代表者 |
中村 伸吾 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 防衛医学研究センター 医療工学研究部門, 講師 (00505323)
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研究分担者 |
石原 雅之 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 防衛医学研究センター 医療工学研究部門, 教授 (10508500)
佐藤 正宏 鹿児島大学, 学内共同利用施設等, 教授 (30287099)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 生体材料 / タンパク質送達システム / マウス肝機能制御 / 実験動物 |
研究実績の概要 |
相反する電荷を持った高分子鎖を混合すると、それらの高分子鎖は静電相互作用によって凝集する。良く知られているこの性質を利用して、我々は原材料を単純に混合するだけでナノ粒子化する生体材料LHPPsを開発している。LHPPsはタンパク質徐放能力や細胞キャリア能力等を有しており、ごく最近「タンパク質の細胞内導入キャリア」として機能する可能性も発見した。そこで、本研究では、マウス生体肝細胞に対する機能性タンパク質の導入にこのLHPPs活用させ、マウス肝細胞の機能制御を行うことを目指している。具体的な研究内容としては、マウス生体肝細胞への親和性が高いLHPPs派生体の開発、当該派生体を用いた機能性タンパク質のマウス生体肝細胞への導入を通じた、疾患治療等を予定している。 平成29年度は、昨年度開発した肝特異的LHPPs派生体を用いたマウスによるin vivoタンパク質導入の可否について確認をする実験を実施した。マーカータンパク質を担持させた肝特異的LHPPs派生体を静脈血を介した全身投与の系によってマウスへ導入したところ、肝臓におけるマーカータンパク質の導入が確認された。この時、その他の臓器においては、光学顕微鏡による詳細な観察からは対照群(非導入群)との違いは観察されなかった。したがって、本材料を使用することでマウス生体肝細胞に対してタンパク質の導入が行えるものと考えられ、当初目論み通りの系が開発できたものと考えられた。そこで、肝障害モデル動物に対してこの肝特異的LHPPsを使用して治療目的のタンパク質を導入する予備検討を実施したところ、一部マウスにおける回復の傾向を確認した。今後、本内容について検討を継続する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
モデル動物に対して肝特異的LHPPsを使用して治療目的のタンパク質を導入して予想通りの成果を得た。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画調書通りに実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
動物実験等を中心に実験が順調に推移し、検討項目の絞り込みが可能となって試薬等の購入頻度が下がったため使用額が当初予定より減少した。次年度は動物実験を重点的に実施する必要があるが、人件費を充実させることで当該実験等を一層発展させる予定である。
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