昨年度までに特定したKr-h1のコファクター候補因子に関して,分子生物学的及び生化学的手法を用いて解析を行ったが,成虫化抑制の分子メカニズムの全容解明には至らなかった.今後もこれらの因子について引き続き解析を行う予定である. また,コクヌストモドキを用いてE93のRNAiを行った結果,幼虫期がコントロールに比べて有意に延長する現象を見出した.そこで,Kr-h1とE93,JHAMTとE93のdouble knockdownを行った結果,E93のRNAiがKr-h1やJHAMTのRNAiで生じる早熟効果を打ち消すことが明らかになった.これらの結果から,E93はadult specifierとしての機能以外の他の機能を有することが明らかになった.
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