侵略的外来種アルゼンチンアリの安定同位体分析は、広分布域集団で食性幅が広い傾向があったが、攻撃性との関連性は見出されなかった。本種による利用は、草本よりも樹木で顕著な傾向があり、樹木がアリマキなどの宿主として働き、本種の主な餌の供給源や越冬環境の提供者となっている樹種(シャリンバイ・ヤマモモ)の存在が明らかとなった。そして反対に、本種に利用されにくい樹種=クス・イブキと草本種=チガヤ・シバの存在も明らかにすることができた。今後は、アルゼンチンアリに利用されにくい樹種・草本種を優先して植栽した緑地環境づくりを進めることで、本種の増殖しにくい環境づくりが可能となると期待される。
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