研究課題/領域番号 |
16K15087
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
深水 昭吉 筑波大学, 生命領域学際研究センター, 教授 (60199172)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | Duramycin / ホスファチジルエタノールアミン / ホスファチジルコリン |
研究実績の概要 |
細胞膜を構成するリン脂質・ホスファチジルコリン「PC」は、神経伝達物質の産生や免疫機能、脂肪の代謝による脳や肝臓の働きに深く関わっており、小胞体と細胞膜でメチル化反応を介してホスファチジルエタノールアミン「PE」から生合成される。PC代謝が環境に応じてダイナミックに変化することから、多彩な生命現象における生理的役割の重要性が示唆されているが、細胞内でPC合成をモニターする手法は未だ存在しない。本研究では、抗生物質であるDuramycinとPE の結合様式に基づき、生細胞内でGFP融合型Duramycinをプローブとして、PC合成のイメージングを目的とする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
PEは、多段階メチル化反応によってモノメチルPE、ジメチルPEを経てトリメチルPE(=PC)が合成される。また、DuramycinがPEの親水性部に特異的な結合様式を持っている報告 (Hou et al., Chembiochem. 2015) に基づき、DuramycinとPEの結合にはメチル基が負に作用していると考えた。ドットブロットアッセイ法による生化学的解析の結果、DuramycinはPEと結合するものの、PCとは結合しないことを見出した。このことから、PEメチル化反応による代謝産物に対して結合選択性を有することが明らかとなった。
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今後の研究の推進方策 |
平成28度までの結果を受け、平成29年度には、細胞内でPEメチル化反応に焦点を当て、メチル化酵素であるPEMTの野生型と非活性型変異体を作製し、生細胞内における「PEメチル化=PC合成」の可視化を試みる
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