細胞膜リン脂質であるホスファチジルコリン(PC)の代謝は、神経伝達物質の産生や免疫機能、脂肪の代謝による脳や肝臓の働きに深く関わっている。PCは、小胞体と細胞膜で「メチル化反応」を介してホスファチジルエタノールアミン(PE)から生合成される。PC代謝が環境に応じてダイナミックに変化することが考えられるが、細胞内でPC合成をモニターする手法は未だ存在しない。本研究では、抗生物質であるDuramycinがPEと結合するもののメチル基が付加されたPCとは結合しないことを見出した。この結合様式に基づき、生細胞内で蛍光タンパク質融合型Duramycinは、「PC合成」の可視化のプローブとして期待できる。
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