研究課題/領域番号 |
16K15089
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
由里本 博也 京都大学, 農学研究科, 准教授 (00283648)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | メタノール酵母 / RNA顆粒 / mRNA |
研究実績の概要 |
1. メタノール酵母RNA顆粒の細胞内動態解析 メタノール酵母において、mRNAの貯蔵・分解に関わるRNA顆粒(P-bodyおよびSG)の形成と細胞内動態を解析するため、RNA顆粒に含まれるタンパク質と蛍光タンパク質の融合タンパク質を発現する株を作成し、P-bodyおよびSGの可視化、およびその動態解析手法を確立した。各種ストレス条件下での各タンパク質の細胞内局在の観察を進めており、特定のストレス条件下におけるストレス応答性転写因子との共局在という興味深い現象も見出している。また、P-bodyおよびSGの各構成タンパク質の遺伝子破壊株を作成した。現在、各種培養条件での生育度および遺伝子発現制御に及ぼす影響を調べている。 2. メタノール酵母において高度に転写されるmRNAの細胞内動態解析 メタノール培養時に高度に転写されるAOD1遺伝子およびDAS1遺伝子について、野生株と転写因子やシグナル伝達因子の遺伝子破壊株を用い、グルコース培養からメタノール培養へのシフト、あるいはメタノール培養からグルコース培養へのシフトで、それぞれのmRNA量がどのように変動するかを定量的RT-PCRにより解析した。AOD1やDAS1のmRNAがP-bodyあるいはSGによる制御を受けるかどうかを検証するため、in situ mRNA ハイブリダイゼーションによるmRNAの可視化解析を進めているが、解析手法の確立には至らなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
メタノール酵母において高度に転写されるmRNAの細胞内動態解析については、可視化技術の確立まで至らなかったものの、他の研究項目も含め、概ね当初の計画通りに進展している。
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今後の研究の推進方策 |
メタノール酵母において高度に転写されるmRNAの可視化技術を早急に確立する。他の項目については、当初の計画通りに研究を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
購入予定の消耗品の変更および学会などへの参加計画変更のため、未執行額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
当初計画分の他、研究効率化のための物品の購入や研究参画者の国内学会参加のための旅費に使用する。
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