アレルギーに関わるIgE受容体FcεRIの発現はマスト細胞と好塩基球に特異的と考えられてきたが、近年、ヒト末梢血中にFcεRIを恒常的に発現している樹状細胞(DCs)が発見された。一方、マウスDCsにはFcεRIが発現しないため、DCsがFcεRIを介して果たす役割について個体レベルでの十分な解析がなされていない。そこで、DC上にFcεRIを発現する遺伝子改変マウスを作出するため、マウスDCに発現し且つマウスIgEと十分な親和性で結合するFcεRIα変異体を設計することを目指した。ヒトαの立体構造情報を基に変異体を複数種類作製し、最終的に4アミノ酸置換により目的の変異体を得ることに成功した。
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