アレルギーの中心的な細胞であるマスト細胞の細胞表面にはリゾリン脂質の一種であるリゾホスファチジルセリン(LysoPS)を特異的に認識する受容体の存在が示唆されている。本受容体は、アレルギーの増悪に関与しており、薬学的に重要な標的であるにもかかわらず、その性状は不明である。本研究ではfawn-hooded ratがLysoPSに応答し脱顆粒しないことを見出した。本ラット由来のマスト細胞はカルシウムイオノフォアで誘導される脱顆粒は起こったことから、LysoPS受容体を欠損している可能性が想定される。今後、遺伝学的解析によりLysoPS受容体を同定するストラテジーが提案された。
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