本研究では、ケイ素ユニットの「一炭素ユニットもしくは二原子ユニット(シスオレフィンやアミドなど)」のバイオアイソスターとしての有用性を実験的に実証しようとした。物理化学的側面としては、ケイ素ユニット、特にシラノール基の置換基効果を定量的に解析した。生物活性的側面としては、各種核内受容体リガンドの創製研究を通じて、ケイ素ユニットの導入により、アゴニスト・アンタゴニストの変換や、受容体サブタイプ選択性の制御が可能なことを示した。このことによって、ケイ素ユニットが生物活性物質・医薬シーズの分子設計・創製において、その多様性を拡充する有用な手法であることを実証した。
|