脳梗塞が起こった虚血脳に血流が再開通すると酸素フリーラジカルが急増し、脂質過酸化が促進される結果、過酸化脂質から細胞毒性アルデヒドHNEが生成する。本研究はHNEを不活化することで脳保護薬を創製することを目的とする。 カルノシンの誘導体を各種合成し、HNEの結合消去、HNEによる細胞死の抑制、スナネズミの脳虚血モデルにおける神経細胞死の抑制を起こす化合物CNNを得た。現在のところ脳保護薬はラジカル消去剤のエダラボン一剤のみであり、本研究はエダラボンとは作用機序を異にする新しい脳保護薬の創製につながるものである。
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