研究課題
皮膚薬剤過敏症(Stevens-Johnson症候群、中毒性表皮壊死症)は薬剤有省事象のひとつであり、重筋な場合には生命予後を左右することがあるa ヒト白血球抗原(HLA)と皮脂薬剤過敏症との関連は極めて強く、原因薬剤ごとに異なるアレルとの閲迎が報告されている。一方、これまでの皮膚薬剤過敏症動物モデルは移植片対宿主病を利用したもので、薬剤による誘発を行わないため、ヒトで投薬中に起きる皮膚薬剤過敏症とは病態が大きく異なり、治療モデルとしての評価も非常に悶雛であった。本研究では、カルパマゼピン誘発性皮膚薬剤過敏症感受性遺伝子HLA-A*31:01のトランスジェニックマウスを準備し、次世代シークエンサーを用いてTgマウスの全ゲノムシークエンスを行い、トランスジーンの挿入位置を同定することにより、挿入遺伝子のジェノタイピング法を確立した。このトランスジェニックマウスで薬剤投与による皮膚薬剤過敏症モデル動物を作成する。このモデル動物を用いて、皮膚薬剤過敏症の発症機序を解明し、治療モデルを利用して新規治療法の開発を目指す。カルバマゼピン誘発性皮膚薬剤過敏症感受性遺伝子A*31:01のトランスジェニックマウスが作成されている。カルバマゼピンを腹腔内投与するか、経口投与することで、皮膚薬剤過敏症モデル動物を作成する。肉眼的な病変の拡がりと、顕微鏡的な組織病変の程度で皮膚薬剤過敏症を評価する。作成された薬剤誘発性皮膚薬剤過敏症モデルを用いて、生理活性物質に対する抗体などの抗体治療やmiRNAを用いた治療の有効性を評価する。有効な治療法については、誘発前からの予防的投与と誘発後の治療的投与の双方について検討する。
3: やや遅れている
感受性アレルA*31:01のTgマウスを作製し、系統を樹立した。次世代シークエンサーを用いてTgマウスの全ゲノムシークエンスを行い、トランスジーンの挿入位置を同定することにより、挿入遺伝子のジェノタイピング法を確立した。A*31:01Tgマウスへのカルバマゼピン投与方法については、腹腔内投与と経口投与の両方について検討した。しかし、Stevens-Johnson症候群、中毒性表皮壊死症様の皮膚症状を示さなかった。
カルバマゼピン誘発性皮膚薬剤過敏症疾患モデルの作成方法(投与量・投与方法等)の変更や、β2ミクログロプリン欠損マウス・MHCクラスI欠損マウスとの交配や、免疫賦活剤の同時投与やX線照射を行うことで、感受性が上がる可能性もあるため、これらの実験を行うことを予定している。
感受性アレルA*31:01のTgマウスを作製し、系統を樹立した。次世代シークエンサーを用いてTgマウスの全ゲノムシークエンスを行い、トランスジーンの挿入位置を同定することにより、挿入遺伝子のジェノタイピング法を確立した。A*31:01Tgマウスへのカルバマゼピン投与方法については、腹腔内投与と経口投与の両方について検討した。しかし、Stevens-Johnson症候群、中毒性表皮壊死症様の皮膚症状を示さなかった。このように、現在までの達成度はやや遅れている。
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