従来の薬物治療と同様に、細胞治療においてもDrug Delivery Systemの概念に基づく治療法の開発が有効である。まず、低分子抗体をリガンドとして細胞膜表面に修飾する方法を開発した。E-selectinに対するscFvにアジドフェニルアラニンを導入し、DBCO-PEG-DSPEとの結合体を作製した。その結合体を含む培地中で間葉系幹細胞(MSC)をインキュベーションすることで、MSCにscFvを修飾することができた。細胞に修飾されたscFvはE-selectinとの結合能を保持していた。さらに、scFv修飾により、流れ場におけるMSCのHUVECへの接着を向上させることができた。
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