高分子医薬品の開発には高分子の小腸透過を可能とするキャリアの実現が望まれている。独自に同定した小腸透過を促進する新規環状ペプチドを用い、本研究では、環状ペプチドの小腸透過の特性と機構の解明を目的とした。Caco-2細胞及びマウス小腸closed loop両方においてファージの透過は合成ペプチドによって阻害された。また、蛍光標識環状ペプチドがCaco-2細胞内に取り込まれ、その取り込みはエネルギー依存性の担体が介在し、マクロピノサイトーシスが関わることを示唆した。加えて、小腸透過促進には環状構造が必要なこと、また小腸透過環状ペプチドは密着結合を弱めず小腸上皮細胞への毒性が低いことを明らかにした。
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