ヒトiPS細胞から腸管上皮細胞への分化誘導において、低分子化合物により腸管マーカーや薬物動態因子のmRNA発現レベルが上昇した。一方、腸管オルガノイドでは高分子化合物により腸管マーカーや薬物動態因子も高いmRNA発現あるいは活性を示した。以上の結果より、これら化合物は分化誘導において機能の向上に寄与することが示唆された。腸管オルガノイドは、抗がん剤5-FUによる濃度依存的な細胞毒性が観察され、毒性評価系として有用だと考えられた。一方、炎症性サイトカインや再生腸上皮幹細胞マーカーのmRNA発現量は増加した。 以上の結果から、これらの発現変動は細胞毒性マーカーとして有望であることが示唆された。
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