研究課題/領域番号 |
16K15168
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
竹林 浩秀 新潟大学, 医歯学系, 教授 (60353439)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ミエリン形成不全 / 脳内炎症 |
研究実績の概要 |
jimpyマウスは、ミエリンタンパクをコードするPLP遺伝子に変異があり、ミエリン形成不全の一つ、Plelzeus-Melzbacher病(PMD)の病態モデルマウスである。jimpyマウスでは、オリゴデンドロサイトが死滅して脳内炎症が起こる。この脳内炎症がjimpyマウスの神経症状発現にどの程度影響しているかについては不明である。そこで、ミクログリアの反応性を低下したり、免疫活性化することにより脳内炎症を制御して、その結果を解析することにより、jimpy変異における脳内炎症の影響を明らかにすることを目的としている。 我々は、X染色体上のectodysplasin-A(Eda)遺伝子とproteolipid protein (Plp)遺伝子の2つの遺伝子に変異をもつTabby-jimpyマウスを飼育しており、本年度は、このTabby-jimpyマウスの中枢神経系の表現型を組織学的に解析して、その結果を論文報告した (Ikeda et al. Anat Sci Intl in press)。さらに、C57BL/6マウス、あるいは、ICRマウスにバッククロスすることにより、jimpy変異をTabby変異から分離して、jimpy単独の変異をもつマウスを樹立した。ICRマウスについては、10世代以上のバッククロスを完了してICR:jimpyマウスを樹立した。C57BL/6マウスについては、バッククロスを継続中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年は、jimpyアリールとTabbyアリールを分離して、jimpyアリールのバッククロスを進めた。また、Tabby-jimpyマウス脳の病態解析を行い、オリゴデンドロサイト、ミクログリア、アストロサイト、それぞれの反応について解析を行い、グリア反応性についての論文を報告した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、ミクログリアの反応性を制御することにより、脳内炎症を制御することを試みる。その結果を組織学的解析、行動実験を行うことにより解析する。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は、戻し交配実験を行い、マウス飼育費についてはあまりかからなかった。また、Tabby-jimpyマウス脳の病態解析についても、今年度は研究室にある試薬を用いて行った。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は、戻し交配を行ったマウスの凍結保存や新たなマウス系統の導入が予定されている。また、神経系の詳細な組織学的な解析も予定している。
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