本研究「哺乳類胎仔のin vivoライブ観察系の確立」は,従来の「培養を介した器官観察法」が抱えていた「①循環系,結合組織の欠如など,三次元性・細胞組成についての問題」,「②観察対象が胎仔全身および母体から隔絶される問題」を克服すべく,二光子顕微鏡を用いて母体と胎盤でつながったままの胎仔に対するライブ観察系を立ち上げることをめざした.胎生14日目マウスの大脳皮質原基のなかのミクログリアが脳膜に向けて移動する様子を世界で初めてとらえた(論文投稿準備中).また,子宮内観察に供した胎仔の出産も達成できた.胎生期の母体炎症が脳発生に及ぼす影響をミクログリア動態に注目して研究する基盤が構築された.
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