研究課題
正常精巣でのHELMETによるCCGG配列のメチル化レベルは、5-メチルシトシン(5MC)発現と異なり、精祖細胞から精子細胞へ徐々に増大するがステップ11-12で突然減少に転じ、精子では最低となった。GATCGのメチル化は、その核内分布パターンがCCGGと大きく異なるが、同様にアポトーシス細胞での顕著な脱メチル化が見出された。5-azadC投与モデルでは、CCGG及びDNAの低メチル化は精祖細胞のみで認められ、精祖細胞死誘導への関与が判明した。また増大したPCNA陽性細胞はSCP-3陽性で精母細胞と判定され、ステージXIIの分裂時にアポトーシスを生じた。この5-azadCの2様の作用は、Dnmt1とDnmt3a及び3bの発現パターンの差異によることが示唆された。Dnmt1のshRNAを用いたノックダウン実験では、5MCの低下と共にパキテン期精母細胞での顕著な染色体分布異常が誘起され、クロマチン分布制御へのDNAメチル化の重要性が明らかになった。HDAC阻害剤バルプロ酸投与モデルでは、初期精子細胞に特異的に障害を与えるNaフェニルブチル酸と異なり、精祖細胞死を顕著に誘導した。SAHAも精祖細胞死を生じたが、エピゲノムには関係せず酸化ストレスの増大によった。HATのノックダウン実験では、新生仔精巣を用い、SRC-1、GCN5及びELP-3に特異的shRNAベクターを電気穿孔法で遺伝子導入した。その結果、SRC-1の場合のみでアセチル化H3K9の消失と後期精子細胞死が検出された。更に、エピゲノム変異マウスモデルでクロマチンの分布パターンを検討するため、確立した条件でPGK1 とPGK2 の遺伝子局在をin situ PCR により解析したが、切片では両者の位置関係の変化と様々な生殖細胞障害との関連は必ずしも明確ではなかった。今後、単離生殖細胞での同様の検討が必要と思われる。
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