• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2016 年度 実施状況報告書

インスリン分泌制御における細胞骨格の役割

研究課題

研究課題/領域番号 16K15185
研究機関基礎生物学研究所

研究代表者

野田 昌晴  基礎生物学研究所, 統合神経生物学研究部門, 教授 (60172798)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワードインスリン分泌 / APC2 / 細胞骨格 / 膵β細胞
研究実績の概要

膵β細胞内部で作られたインスリン顆粒は、グルコース刺激に応答して細胞骨格に沿って細胞膜まで輸送され放出される。このインスリン分泌のメカニズムは近年の重要な研究課題の一つであるが、Ca2+レベルの上昇に伴う細胞骨格の動態変化が重要な役割を果たしていると推定されている。しかしながら、グルコース刺激に応答した細胞骨格の制御機構はほとんど未解明である。
APC2 (Adenomatous polyposis coli 2)は主に神経系において発現する細胞骨格に結合する分子であることが分かっている。我々は数年前にAPC2が細胞外からの情報に従って微小管及びアクチン繊維の動態を制御していることを明らかにした。最近になって我々は、APC2がインスリンを産生する膵β細胞に発現していることを見出した。予備的な解析から、Apc2遺伝子欠損マウスでは野生型マウスに比べて、糖負荷後の血中インスリンレベルが亢進していることが観察された。そこで、本研究においては、APC2による膵島におけるインスリン分泌の制御機構について解析を行うことを計画した。
まず、糖負荷後の血中インスリンレベルがApc2遺伝子欠損マウスにおいて亢進していることを確認した。さらに、糖負荷後の血糖値が、野生型マウスに比べてApc2遺伝子欠損マウスにおいてより速やかに低下することを見出した。一方、インスリン負荷試験を行ったところ、Apc2遺伝子欠損マウスにおいてはインスリンに対する応答能の低下が観察された。これは、高いインスリンレベルに対して適応した結果であると考えられた。一方、膵島の株化細胞を用いてAPC2の機能を解析するために、APC2の発現を抑制する実験を行うためのsiRNAを発現するアデノウイルスを構築した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

本研究においてはApc2遺伝子欠損マウスより単離した膵島について解析を行なっている。多数のマウスを必要とするが、当研究所に新任教員が多数着任した関係で、飼育施設での十分な飼育スペースが確保できず、必要数のマウスを得ることができなかった。

今後の研究の推進方策

解析に使用可能なマウスを確保し、下記の解析を進めることにより、インスリン分泌の制御におけるAPC2の役割を明らかにする。

1) Apc2遺伝子欠損マウスから調整した膵島を用いて、インスリン分泌におけるAPC2の役割を明らかにする。

2)APC2の発現を抑制した膵島の株化細胞を用いて、インスリン分泌についてイメージング解析を行うことにより、APC2によるインスリン分泌の制御機構を明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

本研究においてはApc2遺伝子欠損マウスより単離した膵島について解析を行なっている。多数のマウスを必要とするが、当研究所に新任教員が多数着任した関係で、飼育施設での十分な飼育スペースが確保できず、必要数のマウスを得ることができなかった。このため研究の一部を次年度に使うこととなった。

次年度使用額の使用計画

Apc2遺伝子欠損マウスの飼育・管理費並びに、インスリン分泌解析のための試薬・器具の購入費として使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] APC2の欠損は知的障害の原因となる2016

    • 著者名/発表者名
      新谷隆史、竹内靖、藤川顕寛、久保山和哉、野田昌晴
    • 学会等名
      第39回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)
    • 年月日
      2016-12-02 – 2016-12-02

URL: 

公開日: 2018-01-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi