ストレス負荷によってマウス血中で12-HETEが増加し、12-HETEが逃避衝動の亢進を誘導することを見出していた。しかしながらストレス負荷後の脳組織では12-HETEが増加しておらず、血中で増加した12-HETEが脳にシグナルを伝達する経路が不明であった。本研究計画では末梢神経に発現する12-HETEレセプターを介し、脳にシグナルを伝達するという仮説を立てた。12-HETEレセプター阻害剤をマウスに前投与しストレスを負荷したところ、逃避衝動の亢進を抑制できた。また、脳内モノアミンを測定したところ、12-HETEはストレスに伴うノルアドレナリンの放出に関与することが示唆された。
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