研究課題/領域番号 |
16K15201
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山田 清文 名古屋大学, 医学部附属病院, 教授 (30303639)
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研究分担者 |
伊藤 教道 名古屋大学, 医学部附属病院, 特任助教 (30726310)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | イメージング創薬 / Npas4 / トランスジェニックマウス / 動物モデル |
研究実績の概要 |
神経精神疾患はアンメットメディカルニーズの高い疾患であり、有効性の高い新規治療薬の開発が期待されている。これまでに我々は、活動依存的に誘導される脳特異的転写因子Npas4がストレスセンサーとして機能し、学習・記憶、不安、癲癇などに関係していることを明らかにしている。したがって、Npas4により発現制御を受ける標的遺伝子は、新しい神経精神疾患治療薬を開発するための有望な標的候補である。しかし、多くのNpas4標的遺伝子の中から創薬標的として真に有望な遺伝子をスクニーニングするためには、これら標的候補遺伝子の機能を系統的にin vivoで評価できるシステムの構築が不可欠である。本研究では、中枢神経用薬の創薬に応用可能なプラットホームとしての新規トランスジェニック(Tg)マウスの創製に挑戦する。 In vivoにおける活動依存的な遺伝子発現調節を可能とするためにNPAS4 promoterの制御下にtTAを発現するトランスジェニック(TG)マウス(NPAS4-tTAマウス)を作製した。tet0-ChR2-EYFP TGマウスをレポーターマウスとしてNPAS4-tTAマウスと交配し、ダブルTGマウスを作製した。活動依存的なレポーター遺伝子の発現はNpas4を誘導することを確認したpentylentetrazol(PTZ)45mg/kg投与24時間後にマウスを灌流固定し、免疫染色法により確認した。NPAS4-tTAとレポーターマウスを交配させたダブルTGマウスはPTZ投与群および非投与群のいずれにおいてもレポーター遺伝子の高い発現が認められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していたNpas4遺伝子のプロモーター制御下にCre Recombinaseを発現する新規Tgマウス(Npas4-Cre Tgマウス)の作製が当初予定より遅れているため、Npas4-tTA::ChR2(C128S)EYFP)マウスを用いた薬効・病態のイメージングを先行して実施した。 さらに、Npas4プロモーターあるいはcyclic AMP response element (CRE)制御下にluciferase (Luc)が発現するようにしたAAVベクターを構築し、マウス線条体に注入した。in vivo imaging system (IVIS)を用いて、薬物による神経活性化を可視化するための予備検討を行い、CRE-Luc発現マウスにおいてcocaine投与による発光シグナルの増強を確認した。
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今後の研究の推進方策 |
Npas4-Cre Tgマウスの作製が遅れている反面、IVISを利用したCRE-Luc発現マウスにおける脳機能イメージングが順調に進んでいる。そこで、CRE-Luc発現マウスの他、AAVを用いてNpas4-Luc発現マウスを作製し、Npas4-Cre Tgマウスで予定していた脳機能イメージングを併せて実施する予定である。
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