研究課題
本研究では、中枢神経用薬の創薬に応用可能なプラットホームとしての新規トランスジェニック(Tg)マウスの創製に挑戦する。初年度は、in vivoにおける活動依存的な遺伝子発現調節を可能とするためにNPAS4 promoterの制御下にtTAを発現するトランスジェニック(TG)マウス(NPAS4-tTAマウス)を作製した。tet0-ChR2-EYFP TGマウスをレポーターマウスとしてNPAS4-tTAマウスと交配し、ダブルTGマウスを作製した。NPAS4-tTAとレポーターマウスを交配させたダブルTGマウスは、ペンチレンテトラゾールPTZ投与群および非投与群のいずれにおいてもレポーター遺伝子の高い発現が認められた。平成29年度は、アデノ随伴ウイルスAAVベクターを用いてCRE-ルシフェラーゼを発現させるシステムを構築した。ルシフェラーゼの基質であるルシフェリンを投与することにより、インビボで神経興奮をモニターできるシステムの構築を行った。また、コカインの処置によるマウス線条体の興奮を、AAV-CRE-ルシフェラーゼを処置したマウスで確認した。Npas4標的遺伝子の機能解析の研究では、Npas4-Homer1aシグナルが神経活動の恒常性維持に関わるシナプス・スケーリングに重要な役割を果たしていることを示した。具体的には、PTZによる痙攣発作後に海馬シナプス膜上のGluAタンパクが減少し、海馬神経の興奮性が低下することを示した、さらに、PTZキンドリングの形成がNpas4-KOマウスで促進され、海馬にHomer1a遺伝子を導入することによりレスキューできることを示した。
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Glia
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10.1002/glia.23299
Biochem Biophys Res Commun.
巻: 493 ページ: 1384-1389
10.1016/j.bbrc.2017.09.159
J Neurochem.
10.1111/jnc.14274
http://www.med.nagoya-u.ac.jp/pharmacy/