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ノンコーディングRNAは、ヒトゲノムDNAから転写される多様なRNA分子種のうち、蛋白質をコードしないRNA分子の総称である。近年、この様なノンコーディングRNA、特にmiRNAやlncRNAなどに代表される機能性ノンコーディングRNAが、細胞内で様々な核酸分子や蛋白質分子と相互作用して、細胞増殖、分化、生存、死など、多彩な生命機能の制御に重要な役割を果たすことが明らかにされてきた。また、その発現異常や機能異常が、癌、免疫疾患や、神経変性疾患などを始めとする難治性疾病の発症および病態形成にも深く関与することが明らかにされつつあり、世界的に注目を集めている。しかしながら、これまでに生物学的機能が明らかにされているノンコーディングRNA分子はごく僅かであり、大多数の分子の生理機能は依然として不明のままである。本研究では、ノンコーディングRNAを介した生命機能制御機構の理解に資する新たな基盤技術の確立を目指し、核酸科学および蛋白質科学分野の先端技術を融合することにより、生細胞内で機能性ノンコーディングRNAと特異的に結合する分子を網羅的に同定する新たな実験手法の開発に挑戦した。この目的実現のため、本法に必要な各種発現ベクターの構築や、様々な実験条件の最適化を実施し、解析手法の技術的基盤および基本プロトコールを確立した。また実際に、本法を用いて疾患関連ノンコーディングRNA分子と結合する蛋白質分子の網羅的スクリーニングを実施し、本手法の有効性を確認した。
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