研究課題
慢性腎臓病患者は生活習慣病との関連も深く、日本では1,330万人8人に1人と言われている。また末期腎不全患者への透析治療には年間1兆5000万が費やされ根治方法は臓器移植のみである。腎臓は20種類の細胞からなる複雑な臓器構成であり、細胞のターンオーバーが遅いため、腎疾患治療は再生医療において最も困難な分野であり、再吸収を伴う尿生成課程は複雑で、そのプロセス再生が重要となってくる。我々は、ヒトジフテリア毒素とその受容体を用いて、マウスの特定細胞のみを任意の時期に死滅させ、精細管内閉鎖環境に外来細胞を置換することが可能なトランスジェニックマウス (AMH-Treck Tg) を開発し、すでに報告している。腎臓の再吸収過程には、多くのトランスポーターが重要な役割を担っているので、移植細胞でその発現が制御できることを目標としている。腎臓と精巣が同じ中胚葉由来臓器であることから、その特性を利用して細胞移植を試み、in vivo腎臓内ニッチと分化環境を同定するため、精細管内の閉鎖環境での上皮細胞置換と別のより開放系に近いTgの組み合わせを実施した。即ち、ROSA26-iDTR (全身性のiDTR-Tg)とLtf (Lactoferrin)-iCre Tgの組み換えマウスを作出した。Ltf は雄個体では生後60日の成熟期に精のう腺、精巣上体、精管の上皮細胞で発現しているので、DTの投与スケジュールや細胞死について最適条件の検出と再生過程を検討した。
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PLos One
巻: 14(3) ページ: e0212367
10.1371/journal.pone.0212367. eCollection 2019.
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