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2016 年度 実施状況報告書

ミトコンドリア機能制御による新規免疫療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K15232
研究機関福井大学

研究代表者

菅井 学  福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (90303891)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワードIgE / IgA / クラススイッチ組換え
研究実績の概要

申請者は『アレルギーの原因となる抗原特異的IgE抗体を、IgAにスイッチさせる治療』の可能性を探ってきた。IgAは粘膜に分泌されるため、この治療法によってIgE抗体によるアレルギー反応を抑制するだけではなく、腸管や気道粘膜からのアレルゲンの侵入を防ぐ効果も期待出来る。しかし、ナイーブB細胞とは違って、IgEにスイッチした細胞をIgAにクラススイッチさせることは難しいことも知られている。本研究では、IgEにスイッチしたB細胞においてもクラススイッチを誘導できる因子を見出すことによって、最終的にアレルギーの治療に応用することを目指している。具体的には、クラススイッチ組換えしやすい細胞集団と、形質細胞に分化しやすい細胞集団を用いて、遺伝子発現を調べることによって、IgE発現細胞にIgAへのクラススイッチを誘導できる因子の同定を目指した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究は、まず活性化B細胞から分化する細胞集団(クラススイッチ組換えしやすい細胞集団と、形質細胞に分化しやすい細胞集団)を分取して、それぞれの細胞集団におけるmRNAの発現を調べることから始めた。しかし、この実験ではあまりにも多くの遺伝子発現に変化が見られたため、クラススイッチ誘導に必要な因子を絞り込むための二次的スクリーニングが必要なことが明らかになって来た。そこで、クラススイッチ誘導に適した新しい細胞培養条件を見つける実験を開始したところである。

今後の研究の推進方策

クラススイッチ誘導を促進するいくつかの培養条件を見出すことができれば、その培養条件において発現の誘導される遺伝子を調べることが可能になる。この実験で得られたデータと、昨年度行ったスクリーニングで見出したクラススイッチする細胞集団で発現の誘導される遺伝子で共通する因子を探すことによって目的とする遺伝子が同定できるものと考えている。

次年度使用額が生じた理由

当初は、クラススイッチ誘導に重要な遺伝子の同定はそれほど難しくないと考えていた。しかし、あまりにも多くの因子が候補として上がって来てしまった結果、すべての遺伝子を次の機能評価に持っていくことが不可能となり、二次スクリーニングを行う必要が出て来たことが原因である。二次スクリーニングは、クラススイッチと形質細胞分化に影響を与える培養条件を見出すことから始めなければならず、思ったより大規模な実験となってしまった。

次年度使用額の使用計画

クラススイッチ組換えや形質細胞分化に影響を与えるパラメーターを検索し、その時に変化する因子を網羅的に調べることによって、細胞分化に関わる中心的因子の同定を試みる予定である。これらの一連の実験を当初計画に加えて行う予定である。

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公開日: 2018-01-16  

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