メタボリックシンドロームの病態形成において、過栄養により誘導される慢性炎症の重要性が指摘されている。慢性炎症では、種々のストレスに対する実質細胞と間質細胞の複雑な細胞間コミュニケーションが持続し、最終的には間質の線維化を来して臓器機能不全に至る。一方、これらの起点となる「細胞内炎症」の慢性化機構は未だ不明な点が多い。本研究では、非必須アミノ酸のセリンに着目し、アミノ酸代謝リモデリングによるマクロファージの新たな機能制御メカニズムを検討した。即ち、一部のマクロファージはセリンを細胞外に依存しており、その欠乏により炎症性サイトカイン産生が顕著に増加することが明らかになった。
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