老化細胞では、マクロファージによる貪食に重要なホスファチジルセリンのフリッパーゼ遺伝子であるATP11Cの発現減少が認められた。しかし、ATP11C、および関連遺伝子ATP11A・Bの過剰発現・発現抑制でも、老化細胞におけるホスファチジルセリンの膜表面への露出には大きな影響を認められなかった。さらに、フリッパーゼの機能に必須であるカルシウムシグナルの阻害では老化細胞におけるホスファチジルセリンの膜表面への露出は抑制できなかった。これらの結果は老化細胞におけるホスファチジルセリンの膜表面への露出にはこれまでに報告とは全く異なるメカニズムが存在する可能性が考えられた。
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