研究課題
Transcribed-ultraconserved regions(T-UCR)から転写される非翻訳RNAのリキッドバイオプシーへの応用と治療への展開を目的として以下のとおり研究を実施した。1)胃癌、腎細胞癌におけるT-UCRの発現と機能解析:Uc.63+は胃癌において発現が亢進し、癌の進行と有意な相関を認めた。細胞株において、Uc.63+を強制発現もしくはノックダウンすると、増殖能、遊走能が亢進、低下することを確認した。下流に関するPathway解析により、NF-κB経路の亢進を介することを見いだした。Uc.416+Aについて腎細胞癌での発現を定量的RT-PCRで検討し高発現を見いだした。細胞株を用いた実験で、Uc.416+Aは細胞増殖・遊走を制御し、さらにmiR-153を介して上皮間葉転換に関与することを明らかにした。肉腫型腎細胞癌ではUc.416+Aは通常型に比較して有意に高レベルであった。2)大腸癌オルガノイドを用いた癌幹細胞特異的T-UCRの発現・機能解析:代表的61種のT-UCRのqRT-PCR解析において、大腸癌オルガノイドでは正常と比較しUc.91+、Uc.182+、Uc.249+A、Uc.266+Aの4つが高発現していた。これらを大腸癌細胞株で強制発現させると、幹細胞マーカーであるCD44およびLGR5の発現が上昇した。5-FU、L-OHP、CRT-11に対する感受性を評価したところ、Uc.249+AおよびUc.266+Aを高発現させた場合に抵抗性を示した。さらに、癌部におけるUc.266+Aの発現とN gradeおよびStageに有意な正の相関を認めた。今後、これらのT-UCRについて、前年度の血清中Exosome内のUc.163+の測定と同様に解析を進め、リキッドバイオプシーのマーカーの可能性を検討する。
すべて 2017 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (13件) (うち国際学会 5件、 招待講演 3件) 備考 (1件)
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http://home.hiroshima-u.ac.jp/byori1/