カーボンナノチューブと低温プラズマを融合させた治療法の開発のため基盤データを取得した。多層カーボンナノチューブが特異的に吸着するタンパク質を網羅的に同定し、ヘモグロビン、ヒストン、トランスフェリンを得た。低温プラズマの作用は、鉄を付加した処理で感受性が増加し、鉄除去性キレート剤の処理により感受性が減少することが判明し、細胞内鉄濃度が低温プラズマへの細胞の感受性を決定する因子であることを見いだした。その過程でエンドサイトーシス活発化とオートファジーの関与ならびに細胞内の触媒性Fe(II)が増加することがわかり、中皮腫細胞では低温プラズマ処理はフェロトーシスを起こすことを明らかにした。
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