研究課題
1) Cell-penetrating peptide (CPP)-Spred2の作成と効果検証:CPPとして、HIV-1のTatタンパク質由来の塩基性ペプチド(TAT:GRKKRRQRRRPPQ)をRaf結合部位(Spred2はRafに結合して、Raf-Ras-ERK-MAPKを抑制する)が近いC末端側に組込んだ遺伝子組換体(pET21a h-spred2-TAT)を作製し、大腸菌で大量発現させた。通常の可溶性タンパクとして抽出が困難であったため、封入体可溶化し、His-tag精製を行い、dropping法でリフォールディングして濃縮してTAT-spres2タンパクを得た。得られたTAT-Spred2をH1993細胞およびHepG2細胞に添加したところ、いずれでもSpred2タンパクの強発現を確認できた。しかし、ERK活性化は抑制できず、また、Ras-Raf-ERK活性阻害で起こるべき細胞増殖抑制も確認できなかった。FGF刺激により、Raf-Ras-ERK-MAPK活性化を誘導した状況でも、同様の結果であった。以上より、作製したTAT-Spred2タンパクは細胞内には導入されるものの、その機能を発揮しないと判断した。2)Spred-2過剰発現によるインフルエンザ感染抑制 :Spred-2過剰発現マウスにH1N1/PR8の感染実験を行ったが、現時点で感染肺の重症度に大きな違いを見ていない。3)ヒト肺線維症肺を用いての検討:ブレオマイシン(Bleomycin)誘導肺線維症はSpred2欠損マウスで軽減する。そこで、肺線維症患者の摘出肺でのSpred2発現量を、非線維症肺を対照として比較検討したところ、肺線維症肺では、Spred2発現量は有意に高値を示した。内因性Spred2は線維化に対して対症的に発現上昇し、線維化抑制に働くものの、発現量が不十分である可能性がある。
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