本研究課題では、ウイルス感染のメカニズムをRas-Raf-ERK/MAPKとその内因性抑制因子Spred2の観点から明らかにし、Spred2の補充よるERK抑制を介した抗ウイルス戦略に挑戦した。Spred2遺伝子導入により、ERK-MAPKの活性化は抑制され、ウイルス感染は抑制できた。Spred2過剰発現マウスでのウイルス感染に差はなく、生来発現するSpred2で必要な抑制系は作動していると考えられた。今回作製した膜透過性ペプチドを付加したSpred2はERK活性化を抑制できなかったが、機能性Spred2タンパクの補充は、新しい抗ウイルス薬となる可能性が示唆された。
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