胎児マイクロキメリズムは妊娠中に胎児の細胞が母体に混入する現象を指す。その意義は不明であるが、「混入細胞が癌化する」という現象の有無を確認することを本研究の目的とする。方法は、蛍光蛋白質発現マウスを用いた交配・変異剤投与による発癌誘導・2光子顕微鏡による生きたマウスにおける混入(癌化)細胞の追跡である。混入細胞の発癌が証明されれば、新たな疾患概念を提出し、発癌に関与する細胞種に基づいた新たな治療法を開発することに繋がる。実験的には、癌の初期から細胞を生きた細胞で追跡することが可能になり、周囲組織との相互作用による悪性化を理解するうえでの、有用なモデルとなる。
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