29年度はすでに作成したテロメア配列付加用コンストラクト及びセントロメア+選択マーカー挿入用コンストラクトのトランスポソーム作製と活性の評価を実施した。作製はトランスポゼースと精製したテロメア配列付加用コンストラクトを溶液中で混合することで実施した。おおもとのテロメア配列付加用コンストラクトから希釈系列を作製し、異なる濃度のトランスポソームを調整した。次にこれらを実際のマラリア原虫のゲノムDNAに加えて切断反応をおこなった。トランスポソームによるDNAの切断反応は一分子一回限りでありテロメア配列を末端に付加し終了する。DNAは1 ugを使用しこれを10 kbp以上に切断する最小量を1ユニットとした。DNAのサイズはアジレント社のバイオアナライザーを用いて決定した。次に実際にマラリア原虫ゲノムを用いて人工染色体ライブラリーを、トランスポソームを用いて作製を試みた。ゲノム1 ugに対しトランスポソームストックを1対2ユニットの割合で加え十分に混合した。この溶液にマグネシウムを加えトランスポソームを活性化した。現在完成した人工染色体ライブラリーの評価を実施している。十分な完成度があると評価されれば今後ライブラリーを直接導入法でマラリア原虫に導入する予定である。24時間後にFACSでGFP陽性原虫の割合を解析しトランスフェクションの効率を評価する。最終的に最適化した条件をもとに薬剤耐性株からライブラリーを作製し、耐性遺伝子の同定を試みる予定である。
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