研究課題/領域番号 |
16K15268
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
寄生虫学(含衛生動物学)
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研究機関 | いわき明星大学 (2017-2018) 順天堂大学 (2016) |
研究代表者 |
奈良 武司 いわき明星大学, 薬学部, 教授 (40276473)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | クルーズトリパノソーマ / シャーガス病 / 休眠 / シスト形成 |
研究成果の概要 |
クルーズトリパノソーマが引き起こすシャーガス病は、感染を維持しながら長い無症状期(数年-数十年)を経て慢性期へと移行し最終的に患者を死に至らしめる。しかしながら、なぜ長期間排除されずに感染し続けるのかは全くわかっていない。申請者らは、レクチンの一種コンカナバリンA(ConA)が原虫の代謝活性および分裂能を著しく低下させ、「嚢子(シスト)」に類似した形態を誘導することを明らかにした。また、ConAが微小管タンパク質チューブリンや、原虫特異的なシステインプロテアーゼの一種、クルジパインと結合することによってシスト形成が誘導されることが明らかとなった。
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自由記述の分野 |
寄生虫学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
シャーガス病の治療において、急性期では著効を示すベンズニダゾールやニフルチモックスといった治療薬は慢性期では効果が低い。この事実は、急性期と慢性期でクルーズトリパノソーマの性質そのものが異なっていることを強く示唆し、抗結核薬が分裂休止菌に対しては効果がないことと極めて類似している。本研究によって、代謝活性および分裂能が著しく低下したクルーズトリパノソーマを誘導できることが明らかとなった。これは、シャーガス病の慢性期における病像を理解する上で極めて重要な発見である。
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