サルモネラは宿主体内で持続感染することができるが、宿主で生じる獲得免疫からの回避機構については不明であった。本研究では、マウスで持続感染するサルモネラLon欠損株を感染させ、骨髄リンパ球について検討したところ、サルモネラ感染では感染4日で骨髄IgG分泌プラズマ細胞が特異的に障害されることを見出した。これは、サルモネラから分泌されるSiiEにより誘導された。SiiE欠損感染株では病原性株の排除効果がSiiE+株よりも高かった。以上より、SiiEはサルモネラの獲得免疫抑制因子であることが示唆された。
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