大腸菌O157の3種類のStx2ファージについて、大腸菌K-12溶原株を作成し、細胞性粘菌に感染させた。しかし、細胞粘菌の生育には全く影響しなかった。O157親株も毒性を示さなかったため、アメーバーを用いて同じ実験を行ったが、全く毒性がなかった。過去の報告と異なり、本研究では、O157は原生生物に無害であることが明らかとなった。今後は、異なる原生生物を用いた解析を行う。また、大腸菌O26には、環境中において、Stx2ファージの高頻度な感染と脱落が繰り返し起きていることが明らかとなった。環境中では、Stx2獲得が有利に働く選択圧の存在が示唆された。
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