グルココルチコイドは、強い免疫抑制作用を持つが、免疫系における生理的な機能については不明であった。グルココルチコイドがT細胞のサイトカイン受容体IL-7Rとケモカイン受容体CXCR4の発現量を夜間に高め昼間に下げていること、その日内変動が昼間に血中に留まり夜間にリンパ組織に集まるT細胞の体内分布の日内変動を引き起こしていることがわかった。さらに、T細胞が夜間にリンパ組織に集まることで、リンパ球が効率的に活性化され、強い免疫応答が引き起こされることがわかった。以上の結果から、グルココルチコイドが、T細胞の循環と応答の日内変動を制御することで、免疫機能を高める生理機能をもつことを明らかにした。
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