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2016 年度 実施状況報告書

腸管免疫系を構成するTリンパ球のシングルセル解析への挑戦

研究課題

研究課題/領域番号 16K15294
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

長谷 耕二  慶應義塾大学, 薬学部(芝共立), 教授 (20359714)

研究分担者 城口 克之  国立研究開発法人理化学研究所, 生命システム研究センター, ユニットリーダー (00454059)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワードシングルセル解析 / 腸管免疫
研究実績の概要

従来の免疫担当細胞のFACSや定量PCRによる解析手法では、集団の「傾向」を見るにとどまり、詳細なクローン組成や個々の細胞における定量情報は皆無であった。近年、シングルセル解析の技術によってT細胞受容体のレパトア解析が行われるようになってきた。TCRはα鎖とβ鎖のペアによって構成されているが、これまで行われてきた研究のほとんどは、TCRαおよびβ鎖のどちらかを遺伝子組み換えによって1種類に固定しておき、残りのペアのバリエーションを調べるというものであり、より自然な状態でのレパトア解析が求められている。
遺伝子にタグをつけるバーコード法の登場により、シークエンス解析から得られた複数の遺伝子の読み取り情報を、タグ情報によって個々の細胞へと帰属することが可能となっている。本申請グループでは本手法を応用することで、リンパ球のTCRペア情報を、個別に、バイアスなく、そしてハイスループットに検出することが可能にできると考えている。クローンを個々のレベルで「観る」ことで、マスとして同じに見える2つの集団から全く異なる性質を読み取ることが可能と考えられる。今年度はダイナミックな免疫応答が常に生じている腸管免疫系を解析対象とし、大腸炎モデルを作出して、CD4+ T細胞をシングルセルソーティングした。これらの細胞を用いて、T細胞受容体のα鎖とβ鎖の配列のペアを一細胞の分解能かつハイスループットで決定する計測システムを確立するための検討を行った。具体的には、マウスよりT細胞集団を取得した後、個々の細胞をチップ上のウェル内に封入し、一細胞からTCRαとTCRβの増幅を試みた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画に沿って研究が進展している。

今後の研究の推進方策

今年度の条件検討をさらに進めるとともに、今後は、慢性大腸炎モデルにおいて、腸内細菌に応答して大腸炎を誘発する細胞クローンの解析を実施する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] IL-22BP dictates characteristics of Peyer's patch follicle-associated epithelium for antigen uptake.2017

    • 著者名/発表者名
      Jinnohara T, Kanaya T, Hase K, Sakakibara S, Kato T, Tachibana N, Sasaki T, Hashimoto Y, Sato T, Watarai H, Kunisawa J, Shibata N, Williams I, Kiyono H, and Ohno H.
    • 雑誌名

      J. Exp. Med.

      巻: in press ページ: N/A

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Zinc Transporter SLC39A7/ZIP7 Promotes Intestinal Epithelial Self-Renewal by Resolving ER Stress.2016

    • 著者名/発表者名
      Ohashi W, Kimura S, Iwanaga T, Furusawa Y, Irie T, Izumi H, Watanabe T, Hijikata A, Hara T, Ohara O, Koseki H, Sato T, Robine S, Mori H, Hattori Y, Watarai H, Mishima K, Ohno H, Hase K, Fukada T.
    • 雑誌名

      PLoS Genet.

      巻: 12 ページ: e1006349

    • DOI

      10.1371/journal.pgen.1006349

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Distinct Roles for the N- and C-terminal Regions of M-Sec in Plasma Membrane Deformation during Tunneling Nanotube Formation.2016

    • 著者名/発表者名
      Kimura S, Yamashita M, Yamakami-Kimura M, Sato Y, Yamagata A, Kobashigawa Y, Inagaki F, Amada T, Hase K, Iwanaga T, Ohno H, Fukai S.
    • 雑誌名

      Sci. Rep.

      巻: 15 ページ: 33548.

    • DOI

      doi0.1038/srep33548

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Microbiota-derived metabolites regulate mucosa immunity and barrier,2016

    • 著者名/発表者名
      Hase K.
    • 学会等名
      The 45th Annual Meeting of The Japanese Society for Immunology.
    • 発表場所
      Okinawa Convention Center (Okinawa, Ginowan)
    • 年月日
      2016-12-06
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2020-03-17  

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