研究課題
1. GC B細胞では解糖系が抑制されミトコンドリア代謝が活性化している:マウスをNP-NP-CGGで免疫して3日目の脾臓細胞を解析したところ、プレGC B細胞はナイーブB細胞に比べてグルコースの取り込み亢進とミトコンドリア活性の上昇が認められた。免疫後6日目のGC B細胞では解糖系が抑制され、ミトコンドリア代謝が活性化していた。2. 活性化B細胞においてIL-4刺激はミトコンドリアの活性化とBCL6発現を誘導し、BCR刺激は解糖系の亢進とプラズマ細胞分化を誘導する。:ナイーブB細胞を、CD40LとBAFFを発現するフィーダー細胞(40LB)上でIL-4の有無で3日間培養し、その後培地のみで1日間培養したところ、IL-4に依存的にiGB細胞はBCL6を強く発現した。また、IL-4存在下で3日間培養したiGB細胞(iGB-4)を、40LB細胞を除去して1日間、IL-4存在下で培養した細胞ではミトコンドリア代謝が活性化し、BCL6の発現が増強されたが、抗Ig-k抗体存在下で培養した細胞では乳酸の産生量が増加し(解糖系の活性化)、BCL6の発現が著しく低下してプラズマ細胞分化が誘導された。3. 活性化B細胞においてミトコンドリア代謝の活性化がBCL6発現を増強する:iGB-4細胞を、40LB細胞を除去してミトコンドリア電子伝達系複合体IVの阻害剤であるazideまたは複合体V阻害剤であるオリゴマイシン存在下1日培養した結果、BCL6の発現が強く抑制された。一方、iGB-4細胞を、ミトコンドリア代謝を活性化するジクロロ酢酸ナトリウム存在下で培養するとBCL6の発現が強力に誘導された。4. ミトコンドリア代謝の抑制はGC形成を抑制する。:マウスを免疫してプレGC、GC B細胞、プラズマ細胞をフローサイトメトリー解析した。解析の16時間前にオリゴマイシンを投与することにより、GC B細胞数は減少したが、プレGC B細胞数やプラズマ細胞数は変化しなかった。以上から、GC B細胞はミトコンドリア活性に依存して増殖するまたは維持されることが明らかとなった。
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