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2016 年度 実施状況報告書

大都市部での救急搬送の経時的変動とランダム変動に影響を与える要因の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16K15301
研究機関名古屋大学

研究代表者

近藤 高明  名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (00195900)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワード救急搬送 / 気象変数 / 季節変動 / 加法モデル / スプライン
研究実績の概要

名古屋市消防局から入手した2002年~2007年の救急搬送記録のうち、傷病名として心疾患、脳血管疾患、呼吸器疾患、消化器疾患に分類できるケースを抽出し、気象庁が公開している日々の気象変数(平均気温、平均相対湿度、平均現地気圧、日照時間、風速、降水量)と搬送数との関連性を解析した。解析には一般化加法モデルを適用したが、今回は観測値の期待値をリンク関数で変換したものを非線形関数(cubic spline)の和で回帰する手法を用いた。このさい、確率分布としてはカウントデータを扱うためのポアソン分布を指定した。解析ツールにはRを用いた。
一日あたりの救急搬送件数の中央値は、心疾患、脳血管疾患、呼吸器疾患、消化器疾患でそれぞれ15件、40件、28件、16件であった。
心疾患と脳疾患に関しては気温が高いと発症するリスクは低い傾向(負の関連)があり、呼吸器疾患と消化器疾患ではそれと逆の傾向(正の関連)が見られた。また心疾患と脳疾患に関しては日照時間と正の関連があった。しかし、その他の気象要因に関しては目立った関連を示したものは観察できなかった。
本解析の限界として、特定の個人で複数回搬送されている場合を除くことができない、病名のコードにはICD-9やICD-10ではなく搬送時の医師の所見によって独自にコードが付与されている、現場処置のみの場合には救急隊の判断による疾病名であることから誤分類の可能性があることなどがあげられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2007年目でのデータは研究開始時点ですでに入手されていたため、解析用のデータの再編と、プログラミングによる解析の実施にはすぐに着手できた。

今後の研究の推進方策

追加データとして2008年から2012年までのものが入手できているので、より長期的な観察データを用いて同様の解析を行う。また今回は救急搬送の当日の気象変数との関連に焦点をあてたが、今後は数日間の気象要因が及ぼす影響(lag効果)についても検討を行う。またGISを用いた地理的な分布の解析、自己組織化マップを用いて分類された気象パターンとの関連性につても解析を実施する。

次年度使用額が生じた理由

初年度ではフリーソフトを用いてすでに入手されている期間のみのデータ解析を実施し、探索的な段階の研究にとどまったため予算を節約することが可能となった。

次年度使用額の使用計画

次年度は追加データを加えたデータ解析をおこなうため、演算機能に優れたパソコンとデータバックアップのためのストーリッジ機器購入、データ整理のために雇用する人件費、地理的データ解析のためのGISソフトの購入、結果発表のための出張旅費や論文作成費用に研究費を充当する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Associations of meteorological factors with ambulance transports between 2002 and 2007 in Nagoya, Japan; application of generalized additive model (GAM)2016

    • 著者名/発表者名
      FUJIII Ryosuke, SUTO Chiharu, KONDO Takaaki
    • 学会等名
      The 32nd World Congress of Biomedical Laboratory Science
    • 発表場所
      Kobe, Japan
    • 年月日
      2016-09-02 – 2016-09-04
    • 国際学会

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公開日: 2018-01-16  

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