ピロリドンを主成分とする混合液は臓器を比較的柔らかい状態で保存できる。この固定液を用いてブタの諸臓器、すなわち心 臓、肺、気管、大血管、肝臓、消化管などを固定し、質感の評価と教育資材としての可能性について検討を加えた。 このうち小腸と気管は複数の外科医の評価で高い評価を得ることができた。ピロリドン含有固定液は、固定後3ヶ月までほ ぼ同等の質感を維持することが可能で、さらに組織学的検討でも組織構造が維持されていることを確認した。また、3ヶ月後までで細菌は検出されず、室内におけるピロリドンの空気中濃度の測定でも検出感度以下であり、安全性は確保されている。
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