研究課題/領域番号 |
16K15313
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
山内 圭子 久留米大学, 医学部, 助教 (50304514)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 治療に関する意思決定 / 乳癌 / 医療に対する自律性 |
研究実績の概要 |
昨年度、乳がん女性と乳がん以外の慢性疾患(乳がん以外の癌、慢性腎不全、リウマチ、甲状腺疾患、糖尿病、高血圧症)の女性の治療に関する意思決定の関り方を意思決定の役割、医師とのかかわり方等で比較した。本年度は、上記疾患に既往歴のない健康女性を対象に、高血圧、脳卒中、乳がんに罹患した場合に、治療に直接関わる意思決定および仕事を継続するかどうか等、生活に関わる意思決定にどの程度関わりたいかについてインターネット調査を行った。対象者は20代から60代、各年代420人とした。 約半数の女性は、高血圧に罹患した後に仕事を続けるかどうかを自分で決めたいと考えていた。その割合は20-30代で約45%、50-60代で55%であり、年代が上がるほどに自律性が高くなることを示唆していた。しかし、20-30代の女性も乳がんに罹患した場合は、50%以上が仕事を続けるかどうかの決定を自分でしたいと答えた。同様に、高血圧に罹患した場合に、薬物治療と食事療法や運動療法といった生活改善のどちらかを自分で選択したいと答えた女性はの割合は、20-30代と50-60代で約10%の差があったが、乳がんに罹患した場合に温存手術を受けるか全摘手術を受けるかの決定を自ら行いたいと答えた女性は年代に差は見られなかった。高血圧の治療の選択を自ら行いたいと答えた女性は44%であったのに対し、乳がんの術式選択を自ら行いたいと答えた女性は52%であり、疾患の重症度が増すほどに自律性は低下し、医師にその決定をゆだねるというこれまでの結果とは反するものであった。また、脳卒中および乳がんの症状が悪化した場合に、積極的な延命治療をするかどうかに関しては、両疾患とも約6割の女性が自らその選択を行いたいと答え、医師にゆだねると答えたのは2割以下であった。 本年度の調査結果は、日本人女性の医療に対する自律性は高い事を示唆している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
治療に関する意思決定への関り方が年代で違っているのか、対象となる疾患で違っているのかを現在解析中であり、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
1)乳がんの診断後に決定した項目の抽出をインターネット調査で行う。調査は、「乳がんの診断をされてから現在までに決定したことを、治療に関係したかどうかに関わらず挙げてください。」というオープンエンド型の質問とし、5項目以上を挙げる形式とする。 治療に関連した内容だけではなく、仕事を続けるかどうかといった生活に関する項目を抽出するために、アンケート調査で項目の抽出が悪い場合は対面調査に切り替える。 2)1)で抽出された項目に関して、乳がんの女性がどのような体験をしたかをインターネットを介したアンケート調査で調べる。
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次年度使用額が生じた理由 |
インターネット調査実施費用が予定より低額となったため、次年度使用額がプラスとなった。
(使用計画)本年度の調査対象者数を増やす。
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