光音響法に基づく、がんの高感度光音響イメージングおよびがん治療を達成しうる分子プローブの創製を目的として、HER2に対するモノクローナル抗体であるトラスツズマブを結合させた、酸化鉄ナノ粒子内包リポソームを新たに合成し、評価を行った。電子顕微鏡での観察により酸化鉄ナノ粒子はリポソーム内に数多く封入されており、高感度な光音響シグナルを示すことを明らかとした。また、HER2陽性がん細胞に対してHER2特異的な結合性を示した。また、近赤外レーザー光照射に伴い、IONPの発熱効果も確認できたことから、がん治療用薬剤としての可能性も示された。
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