近年、デング熱やチクングニア熱など蚊媒介性ウイルス感染症が従来の存在地域を飛び越えて、新たな大陸や国・地域で新興感染症として猛威を奮っている。これらの感染症は、種々の分子的技術を駆使しなければ鑑別診断しにくく、治療・予防対策を講ずる上で大きな妨げとなっている。デング熱については、既にNS1抗原を特異的に認識する系が確立している。本研究は、特にチクングニアウイルス構造蛋白質を抗原として迅速に鑑別できる簡易キットの開発を目指した。最初に同疾患が流行中のアフリカ検体から抗原ウイルスを分離し、次に全ゲノム遺伝子解析を行い、これらの情報を元にイムノクロマトグラムに使用できるモノクローナル抗体を作成した。
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