骨髄異形成症候群(MDS)は血球の形態異常と分化・成熟障害を主徴とし、患者の約20-30%が急性白血病へ移行する前白血病状態の疾患群である。患者数は日本で9千人、全世界では30万人にも及び、70歳代の高齢者が主な患者層であることから、超高齢化社会の日本において患者の増加が見込まれる。現状では、骨髄穿刺で得られた骨髄細胞の形態学的観察により診断されているため、より客観的で非侵襲的に診断が可能なバイオマーカーの開発が必要である。。 申請者らは、正常な血球の分化・成熟機構の解析から因子XがMDSのバイオマーカーとして有用であるプレデータを得ている(PCT/JP2013/072335)。本研究では、MDS患者を含む貧血患者20症例における因子Xの発現を申請者が作製したモノクローナル抗体を用いて解析した。ELISAプレートの構築は企業と共同研究を行い、クローンの選別、タンパク質抽出法の最適化、反応の最適化等の検証を行い、パイロットデータを得た。
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