研究課題/領域番号 |
16K15332
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
財満 信宏 近畿大学, 農学部, 准教授 (40455572)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 分光イメージング法 |
研究実績の概要 |
申請者らの研究グループは、コレステロールエステルではなく、中性脂肪の蓄積を特徴とする新たな動脈硬化病巣を発見し、突発性中性脂肪蓄積心筋血管症と名付けた。これまで、特殊な病態を呈するこの疾患の病態検査法が存在しなかったため、質量顕微鏡法(質量分析イメージング)を用いた病態検査法を確立した。しかしながら、確立した手法は「質量分析イメージング法」という特殊な技術に基づく病態検査法であり、一般的な検査機関では病態検査が困難であるという問題点があった。本研究では、高額かつ大規模な装置の導入をすることなく病態検査が可能な分光イメージング法と免疫組織化学染色法を用いて、突発性中性脂肪蓄積心筋血管症の病態検査法を新たに確立することを目的とした。 今年度は質量分析イメージング法を用いて、突発性中性脂肪蓄積心筋血管症の症状を呈する血管切片の探索を行った。血管切片は粥状動脈硬化患者より採取された凍結組織から作成した凍結切片を用いた。探索によって見出された一例の切片中に存在する中性脂肪とコレステロールエステルの蓄積部位を質量分析イメージング法によって明らかにした。その後、質量分析イメージングで用いた切片の連続切片を用いて、分光イメージング法による切片の測定を行い、中性脂肪とコレステロールエステルの分布を区別することができる条件を探索した。現時点では、中性脂肪とコレステロールエステルの分布を明瞭に区別する条件は見出しておらず、解析を続けている段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
分光イメージング法による解析に必要な切片を1例しか入手できなかった。そのため、解析に必要なデータを十分に得ることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
病理組織の病態は均一ではないため、本研究のモデルとなる病態切片を作成するためにある程度の枚数を作成する必要がある。前年度の作成枚数では十分ではなかったため、作成枚数を増やし、研究目的達成に必要な切片を調製できるように努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
目的実現に必要な切片を十分量調製できなかったため、その後の実験を行うことができず、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
前年度よりも作成する切片の枚数を増やし、研究目的遂行に必要な病理切片を獲得するように努める。
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