研究課題/領域番号 |
16K15332
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
財満 信宏 近畿大学, 農学部, 准教授 (40455572)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ハイパースペクトラルイメージング / 質量分析イメージング |
研究実績の概要 |
粥状動脈硬化は、アテローム層へのコレステロールエステルの沈着を特徴とする病理像を呈す。粥状動脈硬化は心不全などの原因病態となるため、粥状動脈硬化症の発症を予防するために、コレステロール代謝異常の制御が重要であると広く認知されている。これまで、動脈硬化病巣に蓄積する脂質はコレステロールエステルのみが着目されてきたが、申請者らの研究グループは重症心不全患者の剖検心から摘出した冠動脈から、コレステロールエステルではなく、中性脂肪の蓄積を特徴とする新たな動脈硬化病巣を発見した。この患者は心筋にも中性脂肪が蓄積されていたため、原発性中性脂肪蓄積心筋血管症(TGCV)と名付けた。解析により、原発性TGCVはAdipose Triglyceride Lipase(ATGL)の変異によって発症することが明らかになったが、その後の解析により、ATGLの変異を有しない症例においてもTGCV様フェノタイプを呈する患者群がいることが明らかになった(突発性TGCV)。AMED研究班の調べでは、突発性TGCV患者は4-5万人いると推測されている。TGCVの診断のためには、組織に蓄積される中性脂肪とコレステロールを区別して検出する必要があるが、一般的な検査機関ではこれら2つの脂質を区別して染色することはできない。本研究では、中性脂肪とコレステロールエステルを区別して染色するための病態検査手法として分光イメージング法に着目し、TGCVを診断するための新たな病態検査法を確立することを目指している。今年度は前年度に引き続き、突発性TGCVの症状を呈する血管切片の探索を行い、質量分析イメージングによって、組織中のコレステロールエステルと中性脂肪の選択的可視化を行うことによるデータ蓄積を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
質量分析イメージング装置の故障により、当初予定していた検体数の測定ができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
質量分析イメージング装置の故障により、当初予定していた検体数の測定ができなかった。この遅れを取り戻すため、本年度は技術補佐員を雇用し、予定よりも多くの時間を本研究に費やす。
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次年度使用額が生じた理由 |
質量分析イメージングの故障が生じたため。前年度までに使用する予定だった研究費を人件費に充て、当初よりも研究に費やす時間を多くする。
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