今後の研究の推進方策 |
ヌクリングKOマウスにおける病態の生化学的及び分子生物学的解析 1)ヌクリングKOマウスにおいて、肝機能(ALT, AST, γ-GTP, TP, 血清アルブミン、A/G, ALP, LDH, ChE)を検査し、肝炎・肝癌発症のステージとの相関関係を病理診断と併せて詳細に検討する。2)肝癌誘導性薬剤として知られるN-nitrosodiethylamineやCCl4に対する反応性(肝癌発症率、発生した腫瘍巣の数と大きさ)をヌクリングKOマウスと野生型マウスで比較する。3)ヌクリングKOマウスにおける肝癌発症に関与する因子を特定するために、ヌクリングKOマウス肝臓と野生型マウス肝臓間でのタンパク質発現プロファイルのプロテオミクス解析を二次元電気泳動法と質量分析を用いて行う。
ヌクリングKOマウスにおける肝炎・肝癌発症機構の解明及び診断法の確立 1)肺胞や腹腔におけるマクロファージの機能に異常がないかを調べる。2)脾臓や腸管粘膜における免疫胚中心形成を検討し、肝免疫異常をもたらしている原因を探る。3)上記検討課題におけるNF-κB経路の関与を解明する。4)肝癌発症に関与する因子を特定するために、ヌクリングKOマウス肝と野生型マウス肝間でのmRNA発現プロファイルを、cDNAマイクロアレイを用いて解析する。また、これにより得られたマーカーを用い、肝癌幹細胞の単離を試みる。
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