ヌクリングKOマウスはSPF環境下、通常食にて飼育の場合、野生型と変わらず生育するが、12ヶ月齢を過ぎると有意に肝炎・肝がんなどの炎症性疾患発症率が上昇した。高脂肪食、高糖食投与による影響(体重増加、耐糖能異常、インスリン抵抗性獲得など)がKOマウスでは高率に出現した。通常食飼育での遺伝子発現様式を調べると、インスリン及びその制御因子の発現量にKOマウスでは異常が認められた。肝毒性のある試薬の投与で、野生型よりも有意に早期にKOマウスで肝臓の脂肪変性や肝炎・肝がんの発症が確認できた。以上より、少なくとも肝臓にストレスのかかる物質の探索には有用な予測システムとなることが期待される。
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