本研究では、核医学検査における被験者個々人の内部被ばくを外部に複数置いた個人線量計で推定しようという試みである。 最終年度では、これまでのモンテカルロシミュレーションおよびファントム実験の結果を踏まえ、実際に臨床研究を行った。また、追加のモンテカルロ・シミュレーションを行い、線量計の位置が実際の位置からずれていた場合のエラーを評価した。 実際のO-15水を用いた臨床実験において本方法を実施した。15個の線量計を体表面に貼付し、O-15水PET検査を実施した。その結果、個々の線量計の値は、体内の放射能量と強い相関があることが示された。 そして、本方法で求めた個々人の内部被ばく量は、すでに公表されている他の方法で求めた値と大きな違いはなく、本方法が実際に内部被ばくの推定に利用できることを示 すことができた。Medical Physics誌に本研究内容を公表した。
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